- 2004-06-25 (金)
- 日々思うこと
書店にて偶然発見〜ふらりと買ってみた本を紹介。中小規模のゲーム開発会社にて現役企画職として活躍(?)中の筆者、島国大和氏が開発現場の実体/現状を体験談と共に、日々の鬱憤をはらすべく、辛口トーク調で紹介していく、といった内容でした。自分も昔からゲーム好きッ子で、学生の頃は漠然と「ゲーム開発を職業としたい」と希望を持ってみたり、業界に触れてみたい思いから半年ほど某大手ゲーム会社にデバッガーとしてアルバイトしてみたりと、少なからず「憧れ」をもっていた時期もあったので、懐かしさ半分+実際の現場はどうなのか知ってみたい気持ち半分でさっくり購入。文章量はそれほど多くなかった為、その後数時間で読み終えました。で、感想はこんな感じ:
- 開発現場は相当修羅場である事が良く伝わってくる
- えてして低賃金+苛酷な労働環境/拘束時間な模様
- 中でもプログラマーが一番辛そう
- ゲーム制作で食っていくには相当の覚悟(言い方替えると 諦め)が必要
- 開発業務の全体的な流れはシステム開発(IT業界)のものとほぼ同じらしい
- 中でも「デバッグ作業(テストフェーズ)」がスケジュール/工数がもっとも読みにくいのも同じ
- 各業務フロー上のフェーズの句切りがあいまいすぎるのも「過酷な労働環境」を生む要因になっている
=プロジェクト管理の手法があまり確立されていない印象を受けた
- 面白いゲームを作るには資金+時間が必要
- 得てしてこれら資源は必要以下の分量しか開発プロジェクトに与えられない
- ゲームの面白さを支えているのは現場開発者のプライドや良心のみ
- しかしゲームの販売本数はそのゲームの面白さには比例しないらしい
=開発者のジレンマ/葛藤を生んでいる模様(へえ〜へえ〜
あと感じたのは、割と作者本人の主観をもとに書き連ねられた内容であって、業界の他社現場などに対して取材/現状サンプリングをした上での考察では無い為、かならずしもこの本にかかれている事がすべてのゲーム開発現場にあてはまりはしないだろう、って点。これについてはまた別のメーカーでゲーム開発に携わっている流し読みさんのこのエントリでも同じような事が書かれていました。てか作者さん、ひたすら愚痴ってるし(笑)。ま、それもこの本の面白さの一つって事で。
関連サイト
MYCOM BOOKS 「ゲーム屋のお仕事」本紹介ページ
島国大和さんの個人サイト「島国大和のド畜生」