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先代の体験から学ぶ

今日は Amazon と Google の基調講演を聴くべくWorld PC EXPO 2005 に行ってきたわけですが、会場の無料インターネットブースで自分のブログをカタカタと更新していたら、60歳すぎ位のご年配の方に話かけられたんです。会場に浮いているあの気球はなんだ?って(笑)。で、そのまま小一時間話込んでいたんですけど、このおじ様(お兄さんって呼べと言われましたが)曰く:

  • 自分は建築設計系の技術者(現役)
  • 最近の流行を追ってがんばってCADソフトも使ってみてるけど正直、しんどい。何故パソコンソフトはああも使いづらいのか。
  • 幾らCADソフトを使いこなせたって、良い設計図が出来る訳では無い。重要なのは己の創造力の方なのに。昨今のITトレンドはいまいち腑に落ちない
  • 俺はそろばん教室に通っていたおかげで、今でも電卓やらエクセルなんか使わないでも一通りの計算は頭の中で出来る。今の時代は全部パソコン任せじゃないか。今のコはパソコン無しで計算できないんじゃないのか?
  • インターネットもいまいち理解できない。調べ事はきちんと図書館に足を運んで、苦労して目的の本を見つける過程が大切なのに。
  • ホームシアターも好きじゃない。自分の部屋に篭ってDVDを観るなんて味気ない。映画ってのは大きなスクリーンと相当の音響設備が揃った映画館にきちんと足を運んで、大好きなアイスクリームを片手にワクワクしながら楽しむもんだ。
  • 便利な世の中といいつつも、部屋に閉じこもりっぱなしの今の子供を見ていると可哀想に思えてくる。昔は昔で良いもんだったよ。

多少偏った意見も含まれているものの、この方のそんな話を聞いていたら、何か感慨深いものがありました。情報革命だ、ネットは広大だ、なんて言って利便性 (= easy access to information) を追求する方向に進んでいますが、その先には、しっかりとみんなの幸せが待ち受けているのだろうか?なんて不安になってみたり。なんでもかんでもマウスクリックで解決→まぁ便利♪といった感じの利便性の追求を最優先で追いかければ良いわけでも無いって事なのかと。

この方が主張しているであろう、

手段に依存する事の無い、不変的な知恵

や、

体験に対する感動の重み

みたいな要素の大切さも決して忘れてはならないなぁ、なんて思ってみたり。

体験に対する感動の重み - 英訳すると、まさに今日 Amazon 講演で何度も強調されていた "User Experience" になります。僕等にとって最適な (≒幸せをもたらす) User Experience とは何なのか?しっかり考えていきたいっす。

Comments:1

none 2007-02-15 (木) 00:58

たとえば表計算で、今までて計算でやってた集計が、
100分の1の時間で終われば、「表」システムの視覚的便利さで得た感動が100倍になると思う。
むしろパソがやってくれる作業に感動しない人間側に問題があるのでは。
そこには先人が組み込んだプログラムという蓄積型資産があり、
そこに思いが至らないのは無神経。

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