- 2006-03-24 (金)
- Web And Technology
mix06 カンファレンスで見ることの出来た新テクノロジの中で、個人的に印象良かったのが WPF でしたので、ここで全体像をまとめてみます。前回のカンファレンスまとめエントリで書いたとおり、Windows Presentation Foundation (WPF) とは、
よりハイレベルなユーザ体験をWEBの世界にもたらすべく投入された次世代ユーザインターフェース用の開発プラットフォーム。ビットマップ画像に加えてベクター画像を扱え、さらには昨今の高速グラッフィックカード (GPU) を最大限活用可能な3D描画エンジンも搭載。XAMLなる、独自の markup language を介して、デザイン / ロジックの分離が容易で、開発効率にも優れている。
といったシロモノ。言葉ではイマイチ伝わらないので、これらデモを見てみてください。
North Face - WPF DEMO
※実際のデモはストリーミング動画の 3:00 位から始まりますので、そこまですっ飛ばす事をオススメします。
今回の mix06 カンファレンスでも同じ内容が発表されていたのですが、動画がまだUPされていないようなので、前回のPDCカンファレンスでのデモをご紹介。North Face 店舗に設置するキオスク端末用の WPF クラアントアプリ。動画 + 3D Graphic なイカしたU/Iになっています。
英国BBC - WPF DEMO
※実際のデモは動画の 5:00 位から始まります。
初日のBill Gates基調講演の中で発表されたデモ。BBCは自社のすべての番組を、放送後1週間以内であれば、WEBから自由にダウンロード視聴できるようにしようとしています (UK国内限定サービス) 。ここではそのサービスを利用する為の WPF クライアントアプリをデモしてくれています。Cool :)
WPF - ネットサービスのユーザ体験を引き上げる技術
マイクロソフトは今回、次世代ブラウザ体験というくくりで2つの技術を投入しようとしています。(1) Atlas - MS版AJAXライブラリ (2) WPF - 次世代リッチインターフェース。Bill Gates の基調講演の中で、MSのこれら技術に対する位置付けを以下のように説明していました:
WPF - Windowsテクノロジーの中での位置付け
WPF についてマイクロソフトのサイトやWebを調べ始めると、Windows Vista / WinFX / Expression / XAML 等など、多くの関連技術名称が出てきて混乱しがちです。これらをなんとなく図にまとめると以下のようになります。
WinFX - 次世代APIセットの総合名称
WinFX とは、既存の .NET framework を拡張した、新たなAPIセットの名称とのこと。その中のひとつとして、プレゼンテーション層を担う WPF (Windows Presentation Foundation) が存在しています。図にあるとおり、Windows OS (クライアント端末) が デスクトップマシン (Vista) だろうが、携帯端末 (Mobile) だろうが、リビング用TV接続端末 (XBOX, Media Center) だろうが関係なく、すべて .NET framework と WinFX が runtime 環境となり、画面サイズなどの差異を吸収してくれるようです。
WinFX には WPF の他にも WCF (Windows Communication Foundation)、 WWF (Windows Workflow Foundation)、 InfoCard (個人認証)、WinFS (ストレージ) 等のテクノロジが用意されているようですが、その辺の詳細はまだ把握してません... > see WinFX Official Site for details.
Expression - WPFアプリ作成の為のツール群
XAMLコードを作成するための、デザイナー / デベロッパー用の各種ツール群の総称が Expression です。 これらツールを用いて XAML コードを生成し、さらにビジネスロジックをコーディングした .NET (C#) ソースと組み合わせる事で WPF アプリを作成する事が出来るようです。
Windows Vista は必須?
セッションのQ&Aでも上がっていましたが、次世代OS Vista は必ずしも必要ではないようです。MSDNのWPF Download ページから WinFX Runtime Components をダウンロード + インストールする事で、既存の WinXP OS でも動くそうです。同様に IE7 である必要もないとのこと。
Windows OS 以外では動かないの?
基本は動かないですが、別プロジェクトとして WPF/E (Windows Presentation Foundation Everywhere) というものがあるそうです。Windows 以外のOSでも、この WPF/E runtime を導入する事によって、WPFアプリが動作するとの事。まだ開発途中みたいです。mix06 カンファレンスでもセッションを行っていましたので、詳しくは後述の セッションID - NGW036 資料を読んでみてください。
関連情報
mix06 カンファレンス中で WPF を取り扱ったセッションの資料へのリンクを張っておきます:
- NGW008 - Windows Presentation Foundation (WPF): The Opportunity for WPF Applications in the Browser and Beyond
- NGW032 - Introducing Microsoft Tools for Professional Designers: An Overview of Microsoft Expression
- NGW036 - A First Look at Windows Presentation Foundation Everywhere (WPF/E)
- NGW040 - A Designer's Overview of Windows Presentation Foundation
同様に mix06 カンファレンス中に開催されていた hands-on lab 用のドキュメントへのリンクを張っておきます:
- LNGW700 - Building Windows Presentation Foundation Applications
- LNGW701 - Building Windows Presentation Foundation XAML Browser Applications
- LNGW702 - Creating Rich 2D and 3D Content in Windows Presentation Foundation
- LNGW703 - Using Data Binding in Windows Presentation Foundation
- LNGW704 - Design and Styling in Windows Presentation Foundation
- LNGW705 - Using Images and Effects in Windows Presentation Foundation
- LNGW706 - Creating Custom Controls in Windows Presentation Foundation
最後に、各種公式WEBサイトへのリンクです:
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