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「大人になりきれない人」の心理 - 加藤諦三

「大人になりきれない人」の心理 - 加藤諦三 (2008年作)

ちょいと人生見失い気味になりつつあったので心の整理中。著者の本は初めてで、内容的には「そうか?」と思う部分がちょいちょいあるも、全体メッセージとしては肯定同意。元気貰えた。以下心に残ったメッセージを引用:

五歳児の大人が、自立する時の苦しみ

p.99

五歳児の大人は、自分の人生全体の計画性がない。今、自分のしていることがその十年後にどうなるかを考えない。その時その時のいい話に飛びつく生き方の結果として、生きるのが辛くなっている。
五歳児の大人が幸せになるためには、今自分のしていることが、十年後にどういう結果をもたらすかを考えて生きることである。
美味しそうな菓子でも毒が入っていると思ったら食べないこと、そうすれば、これからは幸せになれる。今あなたが辛いのは、過去に、爆弾でも毒でも、何でも食べたからである。

五歳児の大人を救う三つの条件

p.152

1. 持っている技能を効果的に使う
今日一日をきちんと生きる、ということが出発点である。... 今日一日をきちんと生きているうちに、やがて自分の才能に気がつき、効果的な才能の使い方も分かってくる。
2. 信仰と祈り (心の支えを持つ)
祈ることの中で強くなろう、という心の姿勢である。自分の心を鍛える為に祈るのである。
3. 趣味を持つこと
趣味の世界に入れば、そこは自分の世界である。そこで心を癒すことができる。... 楽しく何かをするということである。

五歳児の大人たちと「心の支え」

p.156

愛されることなく育った者の苦しみと深さと広さは、愛されて育った者には分からない。愛されて育った者には幸せとしか思えないことが、愛されることなく育った五歳児の大人には地獄でしかないのである。愛されて育った者には、子どもがいることが幸せと思える。しかし、心理的に五歳児の大人にとっては、子どもがいることは地獄である。

人が燃え尽きる原因

p.156

人が燃え尽きるのは、努力が報われないからである。生きることが楽しくなく、辛いだけだからである。仕事がハードでも、仕事が面白ければ燃え尽きない。家族や会社を愛していれば、人は燃え尽きない。
燃え尽きる人は、仕事が嫌いだった。そして周囲の人も嫌いだった。
しかし、それを認めていない。仕事が好きなふりをしてしまった。周囲の人を好きなふりをしてしまった。そして、仕事熱心な自分を演じてしまった。暖かい心の持ち主を演じてしまった。
この自分を偽る努力は報われない。それは、辛い努力で消耗するだけである。
燃え尽きる人は、嫌いな人から逃げようとしても、逃げられない。それは、自分が周囲の人を嫌いだと認めないからである。

心理的弱者の見分け方

p.205

心理的弱者か心理的弱者のふりをしているにすぎない人間かは、努力をしているか、していないかで分かる。心理的弱者は必ず努力をする。努力しない心理的弱者はいない。努力しないということは、心理的弱者ではないということである。周囲の人を操作するような、ずうずうしい人は努力をしない。

ただ水を飲みて笑う人

p.210

私が言いたいのは、ただ、水を飲みて笑う人が情緒的に成熟した大人であり、錦を着て憂える人が五歳児の大人だ、ということである。

おなかがいっぱいの時に、デザートに林檎を半分もらえば、美味しく食べる、満足する。おなかがすいている時に、林檎を二個もらっても、おなかはまだすいている。だから辛い、そして二個しかないと不満になる。はたから見ていると、半分で満足している人がいるのに、あの人は二個もらっても不満だ、と不思議に思う。しかしそれは不思議ではない。

支え

p.212

自分を支えられるような自我の確立ができている人は、それ以外の支えを必要としない。しかし自我の確立ができていない五歳児の大人は、自分を支えるものはお金や地位などしかないのである。 しかも、それには責任もついてくる。だから五歳児の大人は必死なのである。だから五歳児の大人は生きるのが辛いのである。

不満な人

p.218

私たちは不満な人によく、「自分にないものばかりを考えないで、自分にあるもののことを考えなさい」とアドヴァイスする。...
しかし、よく考えてみると、満足していれば自然と自分が今持っているもののほうに注意がいく。たとえわずかでも自分にあるものを考えて感謝する。
人は、満足しているから、健康であることに感謝するのである。不満な人に「健康であることに感謝しろ」と言っても無理である。病気になったら、それまでの健康に感謝するかというと、そうではない。不満な人は、病気になれば病気になったで、病気になったことを悔やむ。
...
他人と自分を比較するから劣等感を持つのではなく、劣等感があるから他人と自分を比較するようなものである。

何を求めているか

p.233

人が幸せを感じるのは、求めているものが分かっている時でもある。それなのに五歳児の大人は、自分が何を求めているか分かっていない。
今、五歳児の大人に大切な事とは、自分は何を求めているかを知ることである。自分は何に困っているかを知ることである。五歳児の大人は、自分が今サバクにいるのか、街中にいるのかも分かっていない。
...
とにかく周囲の人をよく見ること、自分のしていることをよく考えてみること、そうして、ひとつひとつ迷いを吹っ切っていくことである。ぐちぐち悩んでいないで、今日すべきことをひとつひとつしていくことである。そうすればいつか夢が湧いてくる。夢が湧いてくれば、捨てるものは捨てられるようになる。

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