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第十の予言 - ヒトが自己の利益しか考えていない事を極端に表現した一例

第十の予言 ジェームズ・レッドフィールド著 - 第十の予言」より。本の内容は、とある未開の森林地帯を舞台に、主人公が不思議なインスピレーションや偶然、他人との共時性に従ってゆくことで、新たな価値観・人生観・世界観に目覚めていくといったフィクション小説です。形式こそストーリー仕立ての冒険小説をとっているものの、著者 James Redfield 氏はこの物語を通して、「人生の本当の意味とはなにか?」「人類は地球で何をする為に生きているのか?」といった、壮大&神秘的なテーマについて、自身の人生経験(本業はセラピスト)やインスピレーションを元に定義すると共に、皆も同じように気づいて欲しいという想いをメッセージとして読者に伝えてくれています。都市経済のど真ん中で、企業利益に貢献する事で生きる糧を得る生活(大げさwww)をしている現状に疲れ気味な僕にとって、著者のメッセージはとても新鮮で、大いに感銘を受けました。「そうか、そういうことだったのか〜!」連発。(感化されやすい

著者のメッセージについては実際に本を読んでみる事をお勧めするとして、ここでは物語の中で出てきた、「現実の世の中に悲観的な態度でいる、とあるジャーナリスト」役の登場人物が、世の中の腐敗具合について語っている章の主要部分を引用として残しておきたいと思います。こういうスピリチュアル系書籍を最近幾つも(楽しく)読んでいるのですが、大抵、特別興味を抱く/共感を覚える箇所はこういった「今の世の中に対する駄目だし」文章だったりします。

ユートピアなんてやってこない

p.72

あらゆることがよくなるどころかますます悪くなっています。経済的にあらゆることがうまくゆかなくなっています。そして最終的には爆発しますよ。
単純な人口学ですよ。この百年ほど、西欧の国々には巨大な中産階級が存在し、彼らは秩序と理性を重んじ、資本主義経済は、すべての人々にとってうまく働くと、固く信じてきました。
しかし、この信念は今、いたるところで崩壊寸前です。この経済体制を信じる人も、この秩序を守る人も、日々少なくなっています。そしてそれは、中産階級が減少しているからです。科学技術の進歩は、労働を無価値にし、人間の文明を二つのグループに分裂させつつあります。持つ者と持たざる者です。つまり、世界経済に投資し、企業を所有する者たちと、つまらないサービス業的な仕事にたずさわる者たちとにね。この事実に教育の失敗が組み合わされれば、もうこの問題の行き着く先は見えていますよ。

p.73

大部分の人々にとって、ただ生きのびるために、ますます努力が必要になっています。ストレスに関する調査を見たことがありますか?人々の緊張は極限に達しています。誰一人として安全だと感じてはいません。しかも、最悪の状態はまだ始まってはいないのです。人口は爆発し、科学技術がさらに発展するに伴って、教育を受けた者と受けていない者の格差はますます広がってゆきます。そして持てる者はますます世界経済を支配するようになり、他方、持たざる者の側では薬中毒や犯罪がますます増加し続けてゆくのです。

p.74

法と秩序と人間の命に対する尊厳が失われつつあるのです。世界は群集心理へと堕落しつつあります。ねたみと恨みに支配され、ずる賢い山師たちに動かされています。それを止めようとしても手遅れです。もう一つ教えましょうか?誰も本気で心配していないのです。誰もね!政治家は何もする気がありません。彼らが気にしているのは、自分の選挙区のことだけ。それをどうやって守ろうかということだけです。世界はあまりにも早く変化しています。誰も追いついてゆけません。だから私たちは一番になることだけを追い求め、遅くなりすぎないうちに、できるだけ早く取れるものを取っておこうとするのです。この傾向は文明全体、あらゆる職業のグループに浸透していますよ。

たとえば - ジャーナリスト業界

p.75

僕はジャーナリストです。こうした態度はわれわれの業界では当たり前のことですよ。昔は、われわれは少なくとも、ある程度まで正直に、自分の仕事だけをやろうとしていました。でも今はもうだめです。すべてがやらせとセンセーショナリズムだけです。誰も真実を探そうとしたり、できる限り正確に真実を伝えようと努力してはいません。ジャーナリストはスクープや普通ではないことばかり、つまり、できる限りひどいことばかりを探しているんです。
たとえ、ちゃんと説明がつくことでも、何かを非難することに決めたら、そのまま書いてしまいます。その方が販売部数が増えますからね。人々が無感動になって、わけがわからなくなっている世界では、売り上げ数を伸ばすものはセンセーショナルなことだけなのですよ。そして、残念なことに、この種のジャーナリズムは永遠に続いてゆくのです。若いジャーナリストは、こうした状況を見て、この業界で生きのびるためには、同じゲームを演じるしかない、と考えてしまうのです。そうしなければ、自分は人に遅れをとって、だめになってしまうと思うからです。そしてそれは、わざと嘘を書くいわゆる調査レポートというものが増える原因なのです。こんなことはしょっちゅうですよ。

たとえば - 法律家

p.76

法律家をみてごらんなさい。おそらく裁判所で働くということが意味のあった時代もあったでしょう。裁判に参加する人々が真実と公正に対する敬意を共有していた時代にはね。しかし、もう今は違います。最近テレビで放映されていた有名人の裁判のことを考えてみて下さい。弁護士はあらゆる手段を使って、意図的に公正をくつがえそうとしています。何の証拠もないのに、誰かが刑を受けずにすむようにするために、陪審員に仮説を信じ込ませようとするのです。嘘だとわかり切っている仮説をですよ。しかも他の法律家たちは、この裁判について、あたかもこうしたやり方はごく普通で、現在の法制の下では完全に正当であると言い切っているんですから。でも、これはあきらかにまちがっていますよ。
われわれのシステムでは、すべての人は公正な裁判を受ける権利があります。しかし、弁護士は公正と正確さを保証するために頼まれるのであって、どんな手を使ってでも、依頼人を無罪にするために真実をまげ、公正を傷つけてもいい、ということではなかったはずです。テレビのおかげで、少なくともわれわれはこのような腐敗したやり方を見ることができました。これは弁護士が高い弁護料を得、自分の評価をあげるための安易な方便なのです。彼らがこんなにもひどいことを平気でやれる理由は、誰も気にしないと思っているからです。そして、確かに誰も気にしていないんですよ。他の人もみんな同じことをやっているからです。

自己の利益しか考えていない

p.77

われわれは、長期計画をたてるかわりに、近道をし、短期的な利益を最大にしようとしています。それというのも、心の中では意識して、あるいは無意識に、自分たちの成功が長続きするとは思ってはいないからです。そしてたとえ、他人との信頼関係を裏切ることになったり、他の人々を犠牲にしたとしても、自分の利益を先行させることが、ずっと大切だと思っているのです。
間もなく、この文明をを一つにとりまとめていた暗黙の仮定や合意のすべてが、完全にくつがえされることでしょう。失業率が都市であるレベル以上に達した時、どんなことになるか考えてみて下さい。犯罪は今やコントロール不可能です。警察は一般市民のために、自分の命を危険に陥れるようなことはもはやしません。どうせそうしたって、誰も気がつかないのです。一週間に二度も証人台に立って、真実なんかにはまったく関心のない弁護士に、なぜいじめられなければならないのですか?悪くすれば、誰も気にとめもしないのに、どこかの暗い路地裏で血を流しながら、苦痛に身もだえするかもしれないんですよ。別の方に顔を向けて、二十年間できる限りおとなしく過し、時々はそっちの方からわいろを貰っている方が、ずっといいではないですか?こうしたことはずっと続いてゆくのです。何がこれを止めるのでしょうか?

p.79

あなたはこの国有林がずっとこのまま残されると思いますか?とんでもない。人間が海を汚染し、自然の循環系を人間が作り出した発癌物質で一杯にし、紙をはじめとし、木を原材料とする製品を消費するやり方では、この場所は他のすべての場所と同じように、ごみ捨て場になってしまいますよ。実のところ、誰一人として、木のことなんか、気にもとめていないんです。政府は税金で道路を建設したあと、市場より安い価格で木材を業者に払い下げるんです。さもなければ、一番条件のよい最も美しい場所をどこか他の破壊された場所と交換するんです。ただ開発業者を喜ばすためです。あなたはこうしたことを考えたことがありますか?

さいごに

著者は、こうした感情は多くの人々が心に抱いている、

人生に対する怖れや不安の表れ

だと定義しています。どうやってこれら感情に向き合っていけばいいのか?については、実際に本書を読んでみてください。環境破壊だとか、国間対立だとか、個人にとっては現実感の無いテーマ/問題についても、僕ら一人一人が今から実践できる解決方法の提案をしてくれているように思えました。

関連書籍

聖なる予言
今回取り上げた「第十の予言」はこの「聖なる予言」の続編にあたります。著者が描く人類の未来像や、新しい価値観・人生の捕らえ方について興味あらば、まずこちらから手にとって見てください。僕の嫁も、嫁の母親も(笑)楽しく読んでくれました。

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