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ETech 06 Atomから学ぶ標準策定活動における要点 - Tim Bray氏講演

Session - Atom as a Case Study
by Tim Bray
2006/03/07 16:40-17:25 Elizabeth Ballroom B

講演者について

Tim Bray
XML1.0 規格の共同提唱者、Namespaces in XML の共同策定者。Antarctica Systems の創業者。過去に W3C Technical Architecture Group の議長 (Tim Berners-Lee appointee) も務める (2002-2004)。現在は Director of Web Technologies として Sun Microsystems に籍を置く。 IETF Atompub Working Group の共同委員でもある。Blog - ongoing

総括

標準策定団体にとって一番重要なスタンス - 技術発明をしないこと。きちんと機能するベストプラクティスを書き上げること。
もっとも難儀な事は技術的な案を考え出す事では無い - それは人との関わりあいそのものであり、関連する人々からの合意を得ることである。

新標準が必要だった

RSS界隈が組織間の勢力争いで停滞する中、syndication の現状課題を浮き彫りにし、進化させる為には、RSSとは別の、新たな名前の下での活動が必要だった。その願いが結果的に IETFワークグループの設立へと導いた。Syndication Culture - WEBの利便性の事を主眼に置いた syndication 文化を進化させる為の標準を作る必要を感じた。

RSSの駄目な例:

  • APIs
    MetaWeblog APIBlogger API は共に標準規定を満たしていない、デバッグ不足、オーサリング機能の多くが未実装のまま
  • Enclosures
    標準規定はEnclosureは1つのみとしているが、各所での実装はバラバラ。
  • Silent Data Loss
    規定に反する情報が暗黙のうちに削除されてしまう (例: <MFST> up $1.32 )
  • Punctutation Pain
    文字 "<" をFEEDのタイトルに使えなかったり
  • Links
    URLにて相対パスが使えなかったり
  • IRIs
    URIに非欧文文字が使えない (IRI = International Resource Identifier)

The Atom Syndication Format

http://www.ietf.org/html.charters/atompub-charter.html

Tim Bray を初めとするIETF式ワークグループ(標準策定団体)が創りあげた物。オフィシャル承認を得るまでに2年以上の歳月がかかっている。

  • the Syndication Format
    The name, Unique IDs, Relative links, Publishing dates, Feed aggregation ... RFC4287, 2005/07/14
  • the Publishing Protocol
    REST/SOAP, Categories, Introspection, Collection traversal, Security ... 2006/03 現在策定中 - 運用試験の段階

新標準策定の道

IETFのやり方 - すべての会話はメールまたはWiki上で行う、合意の採決は委員長により行われる (+再判申請は可能)

新標準策定の過程において、一番しんどいのは "激しい個人中傷" に立ち向かう事。普段は人当たりも良くてて知的な人物も、syndication 基準の事となると性格が真逆に反転してしまっていた (flips the *hole bit*)。
※プレゼンでは Ride of the Valkyries をBGMに、5分間くらい続く大量の争い/戦い/格闘/戦闘のPhotoをスライド表示してました(笑

プレゼンで注釈した情報

プレゼン資料自体は配布していませんが、関連情報へのリンク集を提示していました

関連情報

おまけ - Tim Bray氏のETech感想

自身のBLOGの ETech - Generalities エントリにて語っていた ETech の感想から抜粋:

KEYNOTEの幾つかは素晴らしかった。
でも製品紹介系はどれも役に立つものでは無かったね。15分だからまだましか。
ただ1人、ネクタイ+スーツ姿で壇上にあがったMicrosoft Windows Liveのプレゼンテーターを指して:
I suppose he parachuted into the conference without checking out the ambiance (周りの雰囲気を確かめもせずに、カンファレンスの真っ只中にパラシュートで降下してきちゃったように見えた).

なんかこのおじさん好きになれそうです(笑

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