- 2006-03-13 (月)
- Web And Technology
Session - Native to a Web of Data: Designing a Part of the Aggregate Web
by Tom Coates
2006/03/08 13:45-14:30 Elizabeth Ballroom C
講演者について
Tom Coates
ソーシャルソフトウェア設計の専門家であり、weblog聡明記からのbloggerとしても有名。過去2年間は英国BBCのR&D組織にてメディアの展望・変化に対する研究を行ってきた。現在は (つい先日) 英国Yahoo!のTech Development groupに籍を移す。過去には、英国で顕著なWEBサイト -
UpMyStreet.com や
TimeOut.com 等を手がけている。年齢は現在30代前半(マジで?...ほぼ同年代 orz)。Blog - PLASTICBAG.ORG
Webは何に変わりつつある?
answer) これら3要素の集合体:
* データソースが相互結合したもの
* データを探し出したり操作する為のサービス
* ユーザがそれらを自由に組み合わせられる環境
つまり、
web as a true data platform.
変容の経過:
- web of pages
- web of mash-ups ←今ココ
- web of data
サービスを自由に組み合わせられる事の効果:
- 新たなサービスは全ての既存サービスを再利用して構築可能
- 新たなサービスや情報は全ての既存サービスのポテンシャルを更に高める事が可能
変容がもたらすもの:
- 多大な創造・発展の可能性
- 革新・進化の加速
- サービス競争の激化
- サービスのコンポーネント化(単位化)促進
- サービスの特化(専門化)促進
経済が生まれる可能性
そこに経済(money)が絡む事で、革新は加速される。
* APIを使ってユーザを情報に惹きつける = 価値
* 総括的な開発をせずにサービスの魅力・利便性を向上可能 = コスト削減
* 既存サービスを利用した新サービスの開発 = 価値
* APIを有料化する方法 = 課金
新たな情報やサービスをWEBに付加する際の指針
以下の疑問を常に念頭に置いておくべし
* WEB全体をより良くする事が可能な物を作れないだろうか?
* データ結合体としてのWEBに対して、どうやったら価値を付加できるだろうか?
Web2.0サービスの基本理念
※一部解釈に自信ありません orz
- データ結合体としてのWEBに価値を付加できる可能性を探ること
- 一般ユーザだけで無く、開発者・機械からの利用も前提に構築すること
- ページ主体では無くデータ主体で設計すること
- サービスのコアが何かを明確にし、それが理解されやすくすること (addressable?)
- 可読性・信頼性の高い、Hackされやすい URL にすること
- まわりと互換性のあるスキーマを採用すること (correlate with external identifier schemes?)
- リスト表示とデータ操作のインターフェースを用意すること
- 画面インターフェース以外にも、同様の操作が可能な汎用基準ベースなサービスを用意すること (例:RSS/Microformats)
- データを可能な限り探しやすくすること
関連情報
プレゼン資料:
プレゼン中に挙げていた、(特にデザイン面で) web2.0 的なサイト例:
- Chatsum - 同じWebsiteを閲覧しているユーザ間のチャット機能を提供するブラウザadd-on
- Blinksale - ユーザ請求/課金の代行サービス
- Rollyo - パーソナル検索エンジン
- Blogger - Blogサービス
個人的感想
british accent +早口な、流れるようなトークがとても印象的でした。BBC時代の元同僚/上司が何人も応援にかけつけて、最前列で手を振っていたのも微笑ましかったです。
内容は度肝を抜かれるようなものでは無いものの、今起こっている変化とその行く末の予測をとても判りやすく、かつ簡潔に、ユーモラスに説明してくれているのが素晴らしいです。プレゼン資料に出てくる女の子達 (p.24) を指して、「いうてもユーザ側の多くはこんな子達なんだから、使いやすさを忘れずにね♪」なんて。
周囲の "establishment" 層に今の変化を説明する際の参考に最適かと。Tomさんに感謝です。